2025年6月2日
取り留めなく気の向くままに書くので、唐突に始まります。
勢いで書いているので、ネタバレがあるかもしれません。すみません。
少しでもネタバレがあるのが嫌な人は、本記事を読まないことをおすすめします。
ジャズを色んな人の人生に絡めながら分かりやすく描いている「BLUE GIANT~BLUE GIANT MOMENTUM」がおもしろいです。
ジャズの世界に飛び込んだ日本人男性のストーリーで、淡々としながらも主人公に関わる人たちの人生も描かれている、どちらかというと大人向け?のマンガです。
万人への感想★★★★
個人的な感想★★★★★
主人公の宮本 大(みやもと だい)は生で聞いたジャズにはまり、自分自身が演奏者になるため様々な困難を乗り越えいていく、というストーリー。
大はテナーサックスを吹くんですが、人を魅了する演奏で少しづつ大きな舞台に立っていきます。
最初は日本、そこから世界へと飛び出していくのですが、なにより大の人柄に好感が持てます。
やると決めたら貫き通す強さがとてもかっこよく、こんな風にやりたいことを真っ直ぐに追いかけられたら、という憧れも感じさせる気がします。
どちらかと言えばいわゆるサクセスストーリーになるのですが、大自身だけでなくそこに関わる人たちの人生もおもしろいです。
それぞれキャラクターのその時の決断や必死さも見どころで「この人、ここで離れちゃうの!?」という場面もあり、どうなるのか続きがすごく楽しみで気になります。
好きなキャラクター、というと少し難しいです。
とてもキャラクターが多いのですが、やっぱり私が好きになったのは主人公の大です。
まっすぐでやると決めたことは貫き通す強さと、迷いつつも揺るがない芯のあるところが好きです。
ジャズとサックスが好きで、とにかく練習を積んでうまくなろうとする貪欲さはもちろんですが、ある意味で普通の少年(青年)なのが、とても好感が持てます。
あと、最初の方のメンバーである玉田も好きです。
こちらもある意味の普通の青年なのですが、やっぱり努力を重ねてドラムがうまくなっていった話が良かったです。
大が世界一のサックス奏者になる物語であると共に、群像劇みたいな面もあると思います。
なので、思い入れのあるキャラクターができても「あ、ここでお別れなのね…。」みたいになってしまうので、ずっとメインで登場し続ける大には一番感情移入しました。
最初の学園祭の話と由井と出会って練習をしている好きです。
学園祭の話は、さえないおばちゃんと思われていた先生がキレッキレの演奏を大とやってのけたのがとてもかっこよかったです。
由井さんとの話は出会いはもちろん、最初の大の師匠みたいな感じで読んでいてワクワクしました。
ニューヨーク編では雪祈と再開する話があるのですが、この話も好きです。
それぞれちゃんと前に進んでいて、大が雪祈の手をさするシーンとか、ウルッときてしまいました。
今後も、大がどんな悩みにぶち当たり、それをどうやって乗り越えていくのか、すごく楽しみです!
サクセスストーリーとはいっても、そこには大の並大抵ではない努力や考え方の変化があり、悩んで立ち止まりながらも進んでいく姿に感動します。
他のメンバーの話も後々で語られることがあるので、のんびり読んでいくのも良いと思います。
面白いのが、単行本の最後に登場したキャラクターのインタビュー風ワンシーンがあり、大と関わった時の感想をそれぞれ語るのがおもしろいです。
最初に読んだときは「?」と思ったのですが、すぐに「ああ!そういうことか!」と気付きました。
(初めは「え?もしかして未来では大は亡くなってるの?」とか思いましたがもちろんそんなことはありません。)
ギミック的な構成とか表現の仕方があって、読んでいてニヤリとする時もあるのがおもしろい部分だと思います。
個人的には、あまり人を選ばない絵だと思うので、誰でも読みやすい絵かな?と思っています。
どちらかというと固めな線の印象があるので、サラッとした線や柔かい線が好きな人は少し読み辛いかもしれません。
淡々とした表現も多いのですが、大やメンバーが演奏している時の迫力はすごいです!
私の場合ですが、絵だけで大がどんな演奏をしているのか想像できるし、きっとこんな音が出ているのではないか、と音まで想像できる迫力があります。
万人への感想が★4なのは、個人的には好き嫌いなく受け入れられる内容と思っているのですが、単純に音楽にあまり興味が無い人には向かないかも、と思ったからです。
正直、音楽に興味が無くても大やその周りの人たちの心理描写、成長の話がおもしろいので読めそうとは思うので、★は4つにしています。
個人的な感想については、とにかくおもしろい、続きが気になるので★5つです!
なんとなく、きっと大は世界一のジャズプレイヤーになるんだろうなとは思うのですが、どうやってそれを成し遂げるのか、その過程が読んでいておもしろいし、これからどうやって壁を乗り越えていくのかすごく気になります。
あと、石塚先生の過去作である「岳」もとても好きなので、もはや石塚先生のマンガは色んな人におすすめしたいと言う思いから★5つになっている面もあります。
「BLUE GIANT~BLUE GIANT EXPLORER」は、音楽好きでサクセスストーリーだけでなく、色んな人のストーリーを読むのが好きな人に、しっかりおすすめできるマンガです!